学園日誌

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10代のメンタルヘルス【6】-2

今号も、引き続き、10代のメンタルヘルス【6】 自殺 自殺のきざしを見のがさない (大月書店)を紹介をします。

自殺の警告には、次のようなものがあります。



  • ・いつもと違った様子になり、性格が変わる。

  • ・自分が大切にしていたものを誰かにあげてしまう。

  • ・他人を避ける。

  • ・危険なことに挑戦する。

  • ・「僕なんかいないほうが、君にとってもいいよ」「生きていくことに意味なんかない」「私はいなくなるかもしれないわ」 といった発言をする。

  • ・「自殺したい」と直接的な言葉で周囲を驚かす。

  • ・身辺を整理する。 例えば、人に借りていたものを整理して返したり、部屋を掃除したり、やたら人を手伝ったり、助けたりする。

  • ・死について興味を示す。 例えば死についての本を読んだり質問をしたりする。

  • ・うつ病の症状、特に、絶望感や無気力感を見せる。


最も恐ろしい警告は、それまで自分の不幸にイラついていた人が、突然穏やかで幸せそうになることです。
何ヶ月も自殺のことで悩み続け、もう自殺しかないと決めたときに、その人の心の中に平和が訪れたのです。

自殺の警告をキャッチしたら、どうすればよいでしょう。
まず、その人とゆっくり話せる時間と場所を選び、あなたが心配しているということを伝えましょう。
その人に質問したり、話を聞いたりして、それから大人に相談しましょう。
自殺の恐れのある人と話すときは、次のような態度を心がけましょう。






ずばり聞く

・・・「自殺を考えているの?どんな計画なの?」とずばり聞いてみましょう。 その人が、すぐにも自殺をしようとしているのかを知る必要があります。 これは、相手に自殺を勧めているのではありません。




冷静でいる


・・・「自殺したい」 という答えが返ってきても、あわててはいけません。 相手の信頼を失うことになります。




全てまじめに受け止める


・・・自殺するという脅しも、まじめに聞きましょう。

話を真剣に聞かなかったために、本当に自殺してしまうかもしれません。




挑発してはいけない

・・・「自殺できるならばやってみれば」などと、挑発してはいけません。 こう言えば思いとどまるかもしれないと考えるかもしれませんが、逆に自殺に追い込むことにもなりかねません。



助けを求める

・・・すぐにでも自殺の危険がありそうなら、大急ぎで助けを求めましょう。

119番や警察に通報したり、病院に連れて行かなければならない場合もあります。そのとき、その人を一人にしてはいけません。



しっかり聞く

・・・自殺しようとする人にとって、最も助けになるのは、話しをよく聞いてあげることだと専門家は言います。

「あなたがどんな気持ちなのか知りたいの。 教えて」「何が起きたのか、話して」 と尋ねましょう。

問題について話し合うだけでも気が晴れることがあります。 アドバイスしようとしたり、専門家ぶってはいけません。

自殺以外の方法はないのか、話し合ってみましょう。 相手の言ったことを繰り返して言いましょう。

例えば「義理のお父さんとうまくいかないんだ」と言われれば「義理のお父さんとうまくいっていないのね」というふうに。これは、積極的に聞くということです。 相手に、あなたがしっかり聞いている、ということを知らせます。「あなたの気持ちはわかるわ」 とか「明日はきっといい事があるさ」というコメントは避けましょう。しかし、「生きていて欲しい」という気持ちは伝えましょう。

あなたが、友達の問題を深刻に受け止めているということを理解してもらいましょう。

「そんな問題くらいで自殺するの?」などと言ってはいけません。もっとつらい気持ちにさせるだけでしょう。

また、相手と、自殺のことで口論にならないように注意しましょう。 相手は、論理的に考えられなくなっているのですから。




大人に相談する

・・・「絶対に秘密にして」 と頼まれるかもしれませんが、今は、秘密を守るときではありません。大人に相談するべきです。

親やカウンセラーなどの信頼できる大人に、一緒に助けを求めに行こう、と誘いましょう。もし友達が嫌だといったら、あなただけでも相談に行きましょう。一時的に友情を失っても、何より命を救えるかもしれないのです。




それでは、緊急時には、どうしたらよいでしょうか。
まず、落ち着くことです。もし、友達が電話をしてきたら、相手を電話につなぎとめ、どこにいるのかを聞き出します。
あなたの横に誰かがいれば、その人に119番通報をしてもらいます。
もし、誰もいなければ、友達にすぐかけなおすからといって電話を一度切り、119番にかけます。特に、10代の場合は衝動的になりますが、こうした自殺への衝動は通常は15分ほどしか続きません。
友達が15分間、自殺をしないようにするだけでも命を救うことになるかもしれません。
「話が終わるまで、何もしないで」と約束させるのもいいでしょう。


また、自殺防止電話ホットライン(→http://find-j.jpに各地の「いのちの電話」 の連絡先があります)は、命を救う電話です。「友達が自殺しようとしています。どうしたらよいか教えたください」 と言えばいいのです。経験を積んだボランティアが24時間いて、電話に答えてくれます。

自殺をしようとする人の気持ちを聞いたり、生きる意味を考える助けをしてくれます。このような努力で、友達の自殺を防ぐことができるかもしれません。 けれどもそれでも自殺してしまったとしたら、それはけっしてあなたのせいではありません。


もし、あなたが自殺したくなったら、次のことをして下さい。 待つこと、危機が過ぎれば自殺への衝動もなくなります。
誰かから離れないこと。うつ病は、孤独な時間が特に危険です。そして、信頼できる人と話をしましょう。その人にあなたの気持ちを伝えましょう。 知っている人と話をしたくない場合は、「いのちの電話」などを利用しましょう。
そして、危機が過ぎても、引き続き専門家の助けが必要であるということを忘れてはいけません。



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