学園日誌

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10代のメンタルヘルス【7】?3

引き続き、10代のメンタルヘルス?F-3 親の離婚 居場所を探して・・・(大月書店) を紹介します。



危機をのりきるためのアイディア


離婚によって起こる気持ちは、複雑で理解しがたいものです。

でも、こうした気持ちをのりきるための方法があります。


●自分の感情をどうしたらよいか

感情というのは普通でも理解しにくいものですが、親の離婚後は特にそうです。

どこからそんな感情が出てきたのか、自分でもわからないこともあるし、まったく意味をなさない感情もあるでしょう。でも、感情を内側に閉じ込めておいてはいけません。

誰かに話したり、泣きたくなったら泣くほうがよいのです。家族や友達に助けを求めましょう。

一時的に悪い感情を持っても心配ありません。笑うのもよいことです。

感情をどう対処するかには、いくつかの方法があります。


・ ノートや日記、コンピュータに自分の感情を書いてみよう。

・ 音楽を聴いたり、楽器を演奏しよう。

・ 考えたり、書いたり、読んだりする、自分の特別な場所を作ろう。

・ 趣味を持とう。

・ 自分の将来について考えよう。

・ 自分が大人になったとき、どんな結婚をして、どんな家庭を持ちたいか考えてみよう。

・ 家族や友達と話しをしよう。

・ 兄弟姉妹に気持ちを打ち明けよう。

・ 運動をしよう。



他にも、大切なこととして、以下のようなことが挙げられています。

* 健康に気をつける

* 友達との関係を作る

* ときには、無理して大人になる

* 親が忙しいときでも、互いの気持ちを知るように努める


●立ち直るのにどのくらいかかるの?

親の離婚を体験した10代の多くは、はじめの2年がもっとも困難だったと言います。

それからは、自分の新しい生活になじみ、また幸せになります。

しかし、幸せを保とうという苦しみは続きます。



●自分を大切にする

誰かの助けなしに、離婚の影響から立ち直ることは難しいことですが、できないことではありません。

自分の生活に集中し、活動的に過ごしましょう。勉強の目標も立ててみましょう。

目標を達成すると、自信が持てるようになります。例えば、このようなときこそ、長距離走などに挑戦してみるのもよいかもしれません。自分にこんな言葉をかけてみるのも、ひとつの方法です。


・ 離婚は、わたし(ぼく)のせいではないんだ。

・ 離婚してよいこともあった。例えば、前よりも家でリラックスできるようになった。

・ 離婚という困難を通して、わたし(ぼく)は感情的に強く成長した。


 

●悲しみが戻ってくる

離婚後の生活は、思ったより悪くないかもしれません。

それでも、悲しみが少しずつ戻ってくることがあります。離婚後、何年もたってから戻る場合もあります。

けれど、これは自然なことなのです。離婚からずいぶんたって、自分の悲しい気持ちを話すのはおかしいと思うかもしれません。しかし、話をすることは大切です。

離婚後すぐには、カウンセリングに通いたくないと思っていて、数年後には、カウンセリングが必要になる場合もあります。時間がたって、カウンセリングを受け入れる気持ちになったのです。

10代の子どもや若者に、離婚がどのような影響を及ぼしたか、直後ではわからない場合があります。

しばらくたってからのほうが、離婚が自分にもたらした困難について、話しやすくなっているでしょう。



●祝祭日や特別な日

離婚後の生活には、これまでなかった新しい問題があります。
例えば、家族行事や祝祭日がそうです。

クリスマスなどの祝日を片方の親としか過ごせなかったり、誕生日のような家族行事に、片方の親しか出席しないのも悲しいことです。こうした状況については、前もって計画を立てましょう。

親に相談して、例えば、誕生パーティを2回に分けて開くなどの解決策を考えましょう。



●親の再婚

親が再婚して、ふたつの家族が一緒になることは、つらいことかもしれません。

自分の親を裏切るように思えたり、新しい親を好きになってはいけないのではないかと恐れることもあります。罪の意識を感じたり、新しい親もいつか去っていくかもしれない、と心配になることもあるでしょう。

子どものいる人と再婚した場合、新しい家族が一緒に住むためには、いろいろな調整が必要です。

よい感情も、悪い感情も起きるでしょう。新しい兄弟姉妹からのけ者にされるかもしれません。

新しく、赤ちゃんが生まれると、親の愛情が奪われるようで心配になるかもしれません。



●幸せな結婚てあるの?

親が離婚した家庭の子どもが、将来、結婚するとき、自分の結婚を心配することがあります。

結婚が本当にうまくいくかどうか、信じられない気持ちなのです。親が離婚すると、子どもは、自分も同じ過ちを繰り返さないように、とても注意深くなります。

そして、自分の結婚がうまくいかなくても、無理して我慢したりします。

結婚そのものを恐れることもあります。これはよく見られる反応です。

次のことを覚えておきましょう。


・ すべての人が離婚するわけではない。

・ 親の間違いから、学べるはず。

・ 結婚が長続きした人の話を聞いて、はげみにしよう。



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