学園日誌

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10代のメンタルヘルス【7】?2




引き続き、10代のメンタルヘルス?F?2 親の離婚 居場所を探して・・・(大月書店) を紹介します。




* とまどいやはずかしさ


10代の子どもや若者は離婚をはずかしいと思うことがあります。

何か悪いことをしたような気になってとまどいを感じます。
例えば、親が人前でけんかをしたような

気分になり、離婚のことを友達や他の人に話すのを恥ずかしいと感じます。



* 罪の意識


親が離婚したのは自分のせいだと、罪の意識を感じる場合があります。

離婚の原因にはいろいろありますが、はっきりしておかなくてはならないことは、

子どものせいで離婚することはないということです。「子どものせいだ」と親が言ったとしたら、

それは
今の家庭で「子どもを責任を持って育てることができない」という意味なのです。

罪の意識は、大人になるまで何年も続くこともあります。



* 怒りの感情


親の離婚で気持ちが傷つくと、怒りの感情が起こることがあります。
悲しみや恐れを怒りで隠そうとする場合や、親の離婚が自分のせいだと思い込んで、自分に怒りが向くこともあります。また、親に怒りをぶつけてけんかをしたり、妹や弟、友達にあたることもあります。

怒りの感情がわいたら、いたずらにふりまわされないように、きちんと向き合うことが必要です。



* 不安や恐怖感


親の離婚によってさまざまな変化が起きるので、不安が募ったり、いろいろなことに対して恐怖感を持つのは自然なことです。両親の間に愛情がなくなると、自分のことも愛せなくなるのではないだろうか、

どちらの親も自分を捨ててしまうのではないか、と恐怖感を持ったりします。

また、お金がなくなって生活が大変になるかもしれない、といった不安も出てきます。



* 認められない気持ち


10代の頃は、自分や他人や出来事に対して、認められない気持ちを持つことがあります。

離婚なんて起きなかったのだと否定したり、親がまた元通りになれればいい、また家族そろってすごせるようになればいいな、考えたりします。

問題が解決して、前と同じ生活に戻れると信じていることもあります。

なんとか、両親が一緒に過ごす時間を作ろうと努力することもあります。



* 抑うつ感


親がけんかして、別れるのを見るのはつらいものです。離婚は子どもをうつ病に追い込むことがあります。



* 相反する気持ち


相反する気持ちを同時に抱いたりすることがあります。

例えば、両親に一緒にいて欲しいと思う一方、やはり別れるべきだと思ったりします。

これからどうなるのだろうと、不安になる一方で、家を出て独立したいと考えたりします。




離婚についての気持ちは人それぞれです。どんな気持ちになっても、それは自然なことです。

自分の感情をうまく処理する方法を学んでいきましょう。




離婚したらどんなことが起こるのか?

離婚の後には、いろいろな変化が起きます。小さい変化も、大きい変化もあります。こうした変化は、大きさに関係なく強い感情を引き起こします。


* 家族の関係


離婚の後、家族間の人間関係が変わることもあります。

互いにイラついたり、気持ちが傷つきやすくなったりします。逆に、より親密になる家族もあります。

離婚を言い出した親や、離婚の原因を作った親を責めることもあります。両親とも、努力が足りなかったのだと思う子どももいます。家族が親密になったと思うと同時に、気持ちが離れていくような気がすることもあります。家族が一緒になって離婚から建ち直ろうとするので、親密度が増します。

同時に、それぞれが新しい責任を持つようになり、自立しようとするため、離れ離れになるような気がするのです。離婚について子どもと話すことは、親にとってつらい場合があります。子どもを傷つけたと、自分を責める親もいます。結婚に失敗したことを恥ずかしいと思う場合もあります。

そんなとき、子どもは辛抱強く、理解を示して親を助けることができます。また、協力しあうことも大切です。みんなにとってつらい時期なのですから。



* 自尊感情


離婚によって、自分には何の価値もないと思い込むこともあります。何か自分のしたことが原因で、親が離婚をしたと思う場合もあります。小さい家に引っ越したり、以前よりお金がなくなったり、ということで自尊感情を失う人もいます。こうした気持ちは自然なことです。

自尊感情は、少しずつなくなっていきます。自分の気持ちをチェックしてみましょう。

「成績は下がっていないかな?」

「友達とはうまくいっている?」

「家族との関係は大丈夫?」

「学校で問題を起こしたり、補導されたりすることはない?」



* 親が子どもにできること


親が、子どもが何を必要としているのかを知り、理解を示すことで、子どもはずいぶん助けられます。

離婚について話し合いたい子もいれば、話したくないと思っている子もいます。言葉を使わなくても、手を握ったり、抱きしめたり、笑顔を見せたり、ということで相手に気持ちを伝えられます。

でも、ひとりにしておい欲しいときもあるので、親はそれを敏感に感じ取り、子どもの気持ちを大事にして欲しいものです。親子で話し合うときは、コミュニケーションの扉を全開にしておくことです。

もし、子どもが離婚について話したくないときは「今、その話はしたくない」「今はできない」と正直に言いましょう。親は、「話したくなったら、いつでも言ってね」と応じてください。

他の事を話しているうちに、離婚にかかわるつらい気持ちが表面に出てくることもあります。





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