学園日誌

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勝負  Part3 ~データ野球と天才バッターとの舞台裏~

   勝負  Part3
~データ野球と天才バッターとの舞台裏~

野村監督は言いました。
「狙いはイチローやない、それ以外の選手や。日本シリーズはプロにとっては最高のひのき舞台。みんなやってやろうという気持ちでくる。イチローが封じられるなら、よし俺がやってやると誰もが思う。そうなるといらんところに力が入る。その気負いが狙いや。それにワシがああいう風に振舞えばイチロー自身も意識するやろ、まだ若かったからね」


 野村采配は見事に成功してシリーズのイチロー選手は19打席5安打に終わりヤクルトが日本一に輝きます。

 イチローにいくら打たれてもかまわない。その代わりに他の選手を押さえ込めば失点は最小限に抑えられるというのです。
「そらストライクゾーンだけを打たせたらイチローが間違いなく世界一や。そんな選手を抑えるよりもその前後、特に下位打線にチャンスを作らせてイチローに回さないようにする方が大切やろ」

「敵を知り己を知らば百戦して危うからず」という兵法の教えがあります。95年の野村采配は自分の弱点と敵の強みを知った上で勝負をする場所をはっきりとさせる。そのためにあらゆるものを利用する。マスコミの前にみずから出て行って注目を集める野村監督、その裏でスコアラー達が徹底的にイチロー以外のオリックス打線を調べ上げ丸裸にする。
 まさに、見事なリーダーシップと組織力です。


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