学園日誌

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学園日誌

AIがつくる未来  Part1

 藤井聡太棋士の四冠達成で人気がでてきた将棋界でもAIソフトに名人たちも勝つことができなくなってきていますが、今をさかのぼること二十三年前、1997年の五月にニューヨークで人間対コンピューターの対決がありました。その対決方法はチェスでした。

 チェスは16個の駒を使って相手のキングを取る競技です。ほぼ将棋と同じですが取った駒は自分の駒として盤上に戻すことができないのが大きな違いです。

 当時はまだAIという言葉はまだ浸透していませんでしたが、日を追うごとにコンピューターが巷に普及しはじめていた時代です。ウィンドウズの発売初日には真夜中の秋葉原には行列ができ、新年でもないのに家電量販店ではカウントダウンが行われていました。

 当時のチェスの世界チャンピオンだったガルリ・カスパロフはあらゆる挑戦者をことごとく破り、十二年にも渡り絶対王者としてチェス界のトップに君臨していました。そんな彼はコンピュターの挑戦も受けていました。

 知性の試金石としてのチェスをするコンピューターの開発はコンピューター技術そのものの向上につながるということでさまざまな企業で行われていました。中でもスパーコンピューターのディープブルーは打倒カスパロフに向けてIBMが総力を挙げて開発したものでした。

 1996年にカスパロフに挑戦しましたが完膚なきまでに打ちのめされ、開発者チームは一年かけてあらゆる改良に取り組んだのです。

 チェスの場合、プロが一手を指すのに選択肢にあがる局面はおよそ10から20だそうで人間の場合およそ3分かかります。ですがディープブルーはわずか二秒間で一億もの局面すべてに点数を付けることができるといいます。

 果たしてこの世紀の頭脳対決はどうなったのか?話を振ると生徒たちが集中しているのがよくわかりました。


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