もう随分前のことですが、昭和60年8月21日より4泊5日で箱根の芦ノ湖湖畔ロッジで組織革新研究会に参加しました。そこで主催者の一人であられた小林茂講師(元SONY厚木工場長)のお話しで感銘を受けました。
労務課長から、タイムカードについて、遅刻する者から頼まれて、他人のものをいっしょに押していく者がいる。この様な不正を許すことができないから、これを取り締まる監視員をおきたいとの提案がなされた。氏はタイムカードを廃止する決心をされました。氏は我々はトランジスターラジオを作るために工場にきている。タイムカードをごまかすような気持では良いトランジスターラジオは作れない。良い製品を作ることによってお客さんから信頼され売れるのだと一時操業をストップさせ従業員の方々に訴えられたとのことです。従業の方々も納得されそれ以後始業ギリギリの時間にタイムカードを押すのではなく始業時に仕事に取り掛かったとのことでした。このような精神が世界に羽ばたくトランジスターラジオを生産することができたのだと若い私の心に焼き付けられました。