学園日誌

diary

学園長のひとりごと

愛犬ごんの死

18歳2カ月いろいろな人に可愛がられ7月30日旅立っていきました。雑種で6匹生まれた中で一番弱々しい子犬でしたが何となく可愛げがあり我が家の一員としてもらい受けました。きっとおっぱいをもらう生存競争に負けていたのか、餌を差し出すと顔を引きつり唸っていました。大きくなっても、私と姪には吠えませんでしたが他人だと噛みつかんばかりに吠えていました。藤橋学舎では卒業生の一人と職員の方がおやつをあげようとした時、タイミングが合わなかったのか噛みついてしまいました。その時は保健所へ連れて行こうと思ったのですが学園生が反対してくれ、思い止まったこともありました。ある時、私がおやつを与えようとした時も顔をゆがめ引きつらせ唸ってきました。私は腹が立ち、傘と足でごんを叩きつけました。それを見ていた、今はトリマーとして活躍している女の子がちょっと怒ったような顔で「先生そんなことしたら、なお性格が悪くなるよ、もっと優しくしてあげなければ」と忠告してくれました。それからは私は心を入れ替え優しさに気をつけました。また、何人かの職員の方は出勤時におやつを持ってきてくれました。ごんは見事にその方々の車を認識し吠えていました。また保護者の方の中で学園にお見えになられた時、帰り際にごんに話を聞いてもらい癒されましたというお話を聞きました。放課には数人の女の子たちがごんを囲んで可愛がってくれている光景をいつも見ることができました。亡くなる前日も遅くまで撫でてくれていました。亡くなった当日その女の子たちは涙を流し泣いて別れを惜しんでくれました。
 女子たちが中心になりごんの写真集を作成し学園長室の前に掲示してくれました。そこにはごんにへの思いが述べられています。「ごんちゃんを見ると元気をもらえました。これからも私たちを見守ってください。」「今までありがとう。ごんちゃんとすごした時を忘れないよ」「いつもかわいくて元気いっぱいくれてありがとう。」「あなたは学園のそして学園長のかけがえのない番犬でした。これからは神として見守ってくださいね。」「いつもそっと来てお話を聞いてくれてありがとう。天国でも元気でかわいいごんちゃんでいて下さい。」・・・・・・
 後半の数年間は性格が穏やかになり、顔を引きつらせ吠えることもなくなりました。多くの方々の愛情をいっぱいもらい吠えなくてもよい生活を送れることができたのはごんにとっては何よりの幸せだったと思います。私も感情と力でことをなしてはいけないとごんの死に際し改めて心に深く刻みました。
 私はこれまで猫と3頭の犬を飼ってきました。いつかは死を迎えなければならないのですが学園生の温かい見守られ逝ったごんの死を一つ区切りとしていろいろなことを思い出しむ歩んで行こうと思いをめぐらしているこの頃です。   


ホーム