学園日誌

diary

学園長のひとりごと

校内ピカピカ作戦(2)

20日15時50分より約1時間、6名の生徒と7名の職員で生徒用の玄関の清掃を行いました。蜘蛛の巣、窓ガラスの汚れ、溝、下駄箱の中等細かい所に目を配り清掃しました。6名の生徒は強制的に参加したのではなくまったく自主的に参加しただけあって真剣に取り組んでいました。学園に来る前は家庭で悩み苦しんでいたとは思えません。改めて子ども達の無限の可能性を目の当たりに感じました。
 私がトイレ掃除に関わったのは中学2年生の時でした。学級役員を決める時、トイレ掃除をしなければならない美化委員の選考が難航していました。私は選ばれたくないのでうつむいて隠れるようにしていました。しかし「北浦君がいいと思います」と声がかかり、みんなの大きな拍手が起こりイヤイヤ引き受けることになりました。毎週1回のトイレ掃除は好みませんでしたが、どうせやるなら一生懸命にしようと心に決め頑張りました。しかし一生懸命磨いても臭いが取れませんでした。小便器のめざらをとって見ると裏側が真っ黒になっており臭いの根源はこれかなと思いブラシで擦って見ましたが簡単に取れそうにもありませんでした。次の日、陸上部の練習が終わってから誰にも見つからないようにしてめざらの裏側を擦り始めました。毎日続けると少しづつ取れだし内心何か喜びのような感じが出てきたのを覚えています。結局白くなるには3カ月かかりましたが心に新鮮ななにかを感じたものです。しばらくして実力テストの結果を一人づつ受取りにいかねばならないことがありました。私は当時勉強にはあまり力を入れてなく成績はよくありませんでした。きっと先生は「こんな成績では高校へいけないぞ」と言われると覚悟をしていました。いよいよ順番がやってきて緊張していると先生は「北浦君、君はどんな立派な大人になるか先生は楽しみにしている」と言われ成績のことは言われませんでした。先生は毎日隠れてトイレ掃除をしていたことを知って見えたのです。私は勉強しなければと思い高校受験に力をいれていきました。先生のその「一言」は今も私の財産として生き続いております。


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