学園日誌

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学園日誌

子どものためのアンガー・マネージメント・ガイド

 今号は、『自分の怒りをしずめよう 子どものためのアンガー・マネージメント・ガイド』(東京書籍)をご紹介します。


 


 著者は、まず、読者である子どもたちに向かって語りかけていきます。…誰でも腹が立つことってあるよね。みんな誰かに怒っているように見えることがあるし、なかには誰にでも怒っている人もいる。でも、怒ってしまうと、楽しむことや、素敵な体験をすることがすごく難しくなってしまう。はっきり分かっているのは、怒ってばかりいる人はあまり幸せな人生を送っていないっていうことだ…ぼくはこれまでに何年間も、これからきみに教える方法を何百人もの子どもに試してきた。そしてうまくいったことが多い。この本を読むと、あまりストレスを感じずに生きていく方法を学べると思う。でもそれは簡単なことじゃない。この方法を身につければ、怒りが引き起こす問題だらけの人生を送らなくてもすむ。どうするかは君が決めることだ。この本に書いてあることを頑張ってやってみればかんしゃくはおさまっていくだろう。頑張らなければ、怒りをめぐる問題はこれまでと同じように続くだろう…自分の怒りをコントロールするのは、泳げるようになるとか、何か新しい技術を身につけるのと同じだ。すごく頑張らなきゃならないし、練習も必要だ。身につけるための近道はないけれど、頑張っただけのことはある…


こんなふうに励まされると、ちょっとやってみようかな、もっと幸せになれる自分になりたいな、と思うのではないでしょうか。


 


次に、自分自身が怒りについてどんな態度をとっているかを見ていきます。「怒りについての質問」に答えてみましょう。


1.計画通りにものごとが進まないと、腹が立つ。


2.他の人が自分を怒らせる。


3.世の中、フェア(公平)であるべきだ。


4.うまくできないと、自分にすごく腹が立つ。


5.ものごとは自分の思った通りにならなくちゃいけない。そうじゃないと腹が立つ。


6.世の中はもっと生きやすい場所になるべきだ。


7.家族が自分を怒らせることがある。


8.世の中には、もっと良くならなければならないことがたくさんある。


9.自分のかんしゃくをおさえられない。


10.自分が「人はこうするべきだ」と思うように人が行動しないとすごく腹が立つ。


 


?人生をつまらなくしてしまう5つのこと?


1.人を困らせる


 きみが本当に怒ってしまうと、きみの脳は、しばらくの間働くのをやめてしまう。だから腹が立つと誰でもバカなことをしてしまう。怒りにまかせてやってしまって、後悔したことを書きとめてみよう。


2.時間とエネルギーの無駄遣い


 ちょっと考えてみて。怒ったとき、何かいいことあったかな?怒り続けるにはすごくパワーが必要だから、怒ると、ぼくたちの生活するためのエネルギー・努力するためのエネルギー・生きのびるためのエネルギーを無駄に使うことになる。それを考えてほしい。


3.友だちとの関係を壊す


 怒るとキレてコントロールがきかなくなるような人の近くにいるのは楽しくない。だから、怒りの問題を抱えている人は、すごくひとりぼっちになりやすい。


4.怒ると悪いことが起きる


 考えずに行動してしまうから、よくないことも起こるんだ。


5.怒りはきみ自身を傷つける


 怒りの得点が高かった人に、後で何か健康上の問題が生じないかどうかずっと見守った実験がある。すると、怒りっぽい人は、そうでない人に比べて、心臓病に1.5倍(4?5倍という結果が出た別の研究もある!)かかりやすく、ガンになる確率も、死ぬ確率も高いということがわかった。


 では、何を変えていけばよいのでしょうか。次回は、具体的なやり方ついて学んでいきたいと思います。



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