学園日誌

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子どものためのアンガー・マネージメント・ガイド2

 今号も、引き続き、『自分の怒りをしずめよう 子どものためのアンガー・マネージメント・ガイド』(東京書籍)をご紹介します。前回は、怒りがいかにあなたの人生をつまらなくしてしまうかを見てきました。


 では、あなたを怒らせるのは、いったいなんでしょうか…


これはちょっと難問だよ。きみをカッとさせるのは?きみの親かな?きみのきょうだいかな?きみの先生かな?きみのボーイフレンドやガールフレンドかな?きみの先輩かな?雨降りの日かな?髪の毛がうまくまとまらない日かな?CDやゲームの値段かな?答えは全部「ちがう」だ。きみがどう思おうと、上にあげたものはきみを怒らせることはできない。きみが、そう、きみだけが自分の感じ方をコントロールすることができる。だからこの難問の答えは3つの文字だ。きみを怒らせるのは?き・み・だ。


 


 …例えば。廊下を歩いているとき、誰かがぶつかってきて、きみの持っていた本が全部床に落ちてしまったとする。そんなとき、どんなふうに感じるだろう。きみはきっと怒るだろうね。ちがうかな?でも、誰がぶつかったのか振り向いて見たら、目の不自由な子が、きみが前にいることに気づかずに、たまたまぶつかっただけだと分かった。さて、そのとき、きみはどんなふうに感じるだろう?まだ怒っている?きっとちがうね。ここが大事なところだ。本はまだ落ちたままだから、「本が落ちるというような」起きた出来事がきみを怒らせているわけではない。とすると、何かほかに訳があるはずだよね。「何かほかに訳」というのは、じつはきみの考えなんだ。きみを怒らせるのは、きみの「考えていること」や「信じていること」や「見方」なんだ。注意してほしいのは、起きたこと(本が落ちて散らばったこと)は変わっていないのに、考え方が変わったら、感じ方も変わったというところだ。つまり、考え方が気持ちに影響する、多くの場合、気持ちをコントロールするんだ。これは、いいことを知ったね。


 


 さて、何をすべきかが見えてきたんじゃないかな?これから学ぶのは、怒る前に自分の考えたことにどうやって耳を傾けるか―――その方法だ。やさしくはない。でも、不可能でもない。考え方と感じ方の関係について、まだ疑っている人がいるかもしれない。そういう態度はとてもいい。人が言ったことを何でも信じてしまうのはかしこいとは思えない。証拠を探すというのは、よい考えだ。だから、証拠を見せて、考え方と感じ方は関係しているということを納得してもらえるかどうかやってみよう。


 


もしきみが次のように考えていたら、どんな気持ちになるだろうか。


1.「先生に居残りさせられたのは不公平だ」


2.「ぼくは役に立たない人間だ」


3.「パパとママがけんかしている」


 


それぞれの考え方には、どんな気持ち(感じ方)がセットになっているか、理解できたんじゃないかな。さて、どんな考え方がきみを怒らせるんだろう。怒りをさそいそうな考え方はどれだろう。✔をつけてみよう。


□1.そんなバカなことしないでくれよ、もう!


□2.宿題は嫌いだけど、我慢できる。


□3.うちの親は一緒にいて楽しくはないけど、この世で最悪の親というほどでもない。


□4.友だちはみんな僕のいうことを聞くべきだ。そうじゃないとひどい目にあうぞ。


□5.人生なんてつまらない。だって僕がやれといったことをみんなやらないんだから。


□6.勉強がこんなにきついのは、おかしい。


□7.勉強でいきづまったとき、先生が助けてくれたらいいのに。でも、自習室に行けば、いつだって友だちに聞ける。


1、4、5、6は怒りをさそう考え方だ。なぜって、これらはある1つのことをやっているから。それは、何かを要求しているんだ。ほかの3つは違ったふうになればいいと「期待」しているけど、期待しているだけで、要求はしていない。「要求のないところに、怒りは怒らない」自分が怒っちゃったとき、自分が何を要求していたか思い出してみよう…


 


 次回は、バランスの取れた考え方と偏った考え方の変え方について、学んでいきたいと思います。



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