学園日誌

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学園日誌

アンガー・マネージメント・ガイド3

 今号も、引き続き、『自分の怒りをしずめよう 子どものためのアンガー・マネージメント・ガイド』(東京書籍)をご紹介します。前回は、何かを要求するという考え方が、怒りを誘っているのだ、ということを学びました。期待と、要求は違うと。


 「?しなさい」「?しちゃだめ」「?しろ」「?するな」「?しなきゃダメ」「?するのが当り前だろう」…怒りが生じるときには、こんな言葉を使っていないだろうか…物事が自分の思い通りになるように要求するなら、そうならないときにはドカーン(すぐ激怒)!!!となる。物事がうまく運べばいいなぁと思っているならそうならないときでも「チクショー、残念。だけど、うーん、まあ…この世の終わりってわけじゃないし」ですむ。そこが違うんだ。きみが怒りをコントロールするか、怒りがきみをコントロールするかの違いなんだ。自分の怒りをコントロールするのが上手になるには、バランスの取れた考えと偏った考えを区別するのが上手にならなきゃならない。それを知るための一つの方法は、証拠があるかどうかテストしてみることだ。「自分の考えはバランスが取れているって証明できるかな?」と考えることが大切なんだ。


 


1.自分の考え方に目を向けること


2.バランスの取れた考え方と偏った考え方を区別すること


3.考えを偏ったものからバランスの取れたものに変えること


この三つがいつでもできるようになれば、怒りの問題に打ち勝つ方向に歩み始めていることになる。


 


 きみの心が荒れ狂う直前に、きみの体にはいろんなことが起こる。例えば「体中が熱くなる」「こぶしを固める」「あごを力に入れて、歯をくいしばる」「体中が震え出す」「筋肉、とくに腕の筋肉が硬くなるのを感じる」。カッとなる前に、きみの体がどんなふうに感じられるかを知ることは大事なんだ。なぜかというと、これを知っておけば、カッとなって何かしてしまう前に、何秒か考えるゆとりを手に入れることができるからだ。考えずに行動するとたいていは悪い結果になる。


 


 そして、腹が立ちそうな自分に気づいたら、腹が立ちそうな場面とは違うことを何か考える。カッとなったときに、思い浮かべるシーンを一つ選んでおく必要がある。これはきみが思い出せる限りで、一番楽しかったことや、一番面白かったこと、お気に入りのことがいい。よいシーンを選んだかどうか、しっかり確かめてほしい。そして、これからの数日間は、一日に何度もこのシーンを思い浮かべる練習をする必要がある。やり方は、自分が怒りはじめたと思ったら、頭の中でそのシーンに飛ぶんだ。そのシーンを思い浮かべながら、同時に怒ることはできないから。


 同じ場面になると、必ずカッとしてしまう人がいる。いつも同じことで冷静さを失ってしまうようだ。もしきみがそうならうまいやり方がある。やり方はすごく簡単。きみがよく怒ってしまうようなシーンを想像してみるんだ。まず、目をつむってそのシーンをしっかりと思い浮かべる。次に、きみが怒っている様子をそのまま思い浮かべる。そこで、本当に怒りまくるかわりに、自分の気持ちを静めるんだ。心の中では、その怒りのシーンに居続けるんだけど、自分の気持ちが静まるまで、そこで頑張る。自分のかんしゃくをコントロールできるところまでたどり着いたら、大きく息を吸ってから目を開ける。そして、自分の気持ちをしずめるために、心の中で何を考えたのか、正確に書いてみよう。もし、自分の気持ちをしずめることができたなら、きみはバランスの取れた考えを書いているんだと思う。これをやってみて、その考え方が正しくてバランスが取れていると分かったら、同じ練習を毎日、できれば一日に何度も繰り返そう。


 


 …簡単すぎて、これでうまくいくとは思えない。


 …おもしろくなさそうだな。


って、きみは言いたくなるかもしれないね。でも、うまくいくんだ。おもしろくなさそうだとしても、長生きをしたくないかい?


 

 うまくいくようにするには、自分が今、成功しているって自覚することが大切だ。カンカンになる一歩手前までいったけど、なんとかコントロールできたことってあったかな?イライラしたけど、そんなに怒らずにすんだ、そんなことがあったかな?怒りがきみをコントロールするんじゃなくて、きみが怒りをコントロールできれば、きみの勝利だ。


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