学園日誌

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学園日誌

勝負  Part2


「びっくりしたねえ、その道のプロが集まって出した答えがイチローを抑える方法がないと言うんやから」と野村監督は当時を思い出して話していました。

日本シリーズは短期決戦であるがゆえに流れをつかまないといけない、必然的にイチロー封じこそヤクルトが優勝するための絶対条件になる。そのイチローに弱点がないというわけですから普通ならお手上げ状態です。

しかし、ここからが野村野球の真骨頂です。
なんと野村監督は対戦前から報道番組に率先して出演してこうぶち上げたんです。「イチローの弱点はもうわかっている」「何ですか、それは」「こんなところで言えるわけ言えるわけないやろ」こういう問答のあとで「イチロー敗れたり」と言ったのです。

これが口火となってさまざまな憶測が飛び交いました。インコースが鍵を握る、敬遠策、アウトロー攻め、などなどマスコミはどんどん騒ぎ出します。その後も野村監督は事あるごとに自信満々でマスコミに対峙しイチロー封じに絶対的な自信を漲らせました。

マスコミは野村監督にくっ付いて何とかしてイチロー対策を聞き出そうと必死です。それに対して野村監督はのらりくらりと話をはぐらかします。実はその裏側でヤクルトスタッフたちはイチロー以外の選手の分析に集中していたんです。


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