学園日誌

diary

学園長のひとりごと

父親の背中 ( 3 )

小学校3 ~ 4年生の頃だったと思います。父と映画を観に行った時、戦争シーンで兵隊が死んでいく時「天皇陛下万歳」と言っていました。私は父にみんなそう言って死んで逝ったの ? と聞くと、父さんは衛生兵だったから、戦闘の最前線のことは分からないけれど、野戦病院に負傷され運ばれた兵隊さんは亡くなる時、「小さい声で、お母さん・お母さん」と言って亡くなって逝かれた。と話してくれた。当時は母親の深い愛情に気が付かない頃でしたが、後になり、眼の見えない母親を残して戦地に送り出された父の思いは複雑なものであったとしみじみと考えさせられました。
 学園は自然に恵まれた藤橋地区にありますが、学園のすぐ側に「忠魂碑」があり、毎日、愛犬ゴンとの散歩のコースになっております。このムラから召集され戦地に赴き無念にも尊い命を落とさざるを得なかったの方々の思いは如何なものあったろうか ? きっと家族のこと、故郷のことを胸に秘め複雑な思いであったことと思います。この碑の前を通る度に戦争という悲惨な経験して復員してきた父親の「生きる強さ」を感じると共に、犠牲になられた方々の御霊に深々と頭を下げ、現在の幸せを感じております。



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